blog言葉と心を育てる★難聴学園★2004

夏休みの宿題  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-31 09:08:08

夏休みが終わりになる1週間前になると、宿題でバタバタして、頭を痛めている家庭が多いと思います。

私が昔のろう学校にいたころは、小学部4年から中学部3年までに宿題があって、高等部になってからは宿題がありませんでした。
夏休みが始まった朝の涼しい時間に、真新しい宿題帳をひろげて、わかるところから順に答えを書いて、3日間で全部すませました。

ただ、自由研究と工作は時間がかかるので、終わりの1週間前からまとめていきます。自由研究はなんとかまとめましたが、工作だけは不器用で苦手だったので、工作の材料を前に自信なさそうな私をみかねて、父が手伝ってくれました。父は材料を器用に扱って、3日間で工作(模型飛行機)を完成してくれました。

家庭では母・兄弟といっしょにいる時間が長くて、父の想い出があまりなかったのですが、工作(模型飛行機)を完成させてくれた父の姿が今も鮮やかな記憶・想い出となって残っています。 父は25年前に亡くなっていますが「おやじ、ありがとう」と感謝と尊敬の気持ちで、私の心の中で生き続けています。

最近は「宿題は必要ない」とか議論しているところがあるようですが、大学に進学したり企業に就職すれば、宿題・課題のリポートを求められる機会が多くなりますから、中学生になったら宿題にすすんで取り組む習慣を持つべきものと思います。

宿題・課題という努力目標があって、人間は自分の潜在能力とモチベーション(意欲)が高められます。 もし、宿題・課題がなければ、人間は自由で開放されるかわりに、何をしていいのかわからなくなるので、人生を生きる意義・アイデンティティを見失います。


厳しいトレーニング  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-30 09:28:31

オリンピックで一部の種目を除いて、選手はいずれも<筋肉が引き締まった腹>をしているのを見ると「すごくカッコいいな」と羨望の思いをします。

<筋肉が引き締まった腹>は若いから自然にできるものでなく、厳しいトレーニングによってできるもので、普通の人にはちょっとの運動ぐらいでなかなかできるものではありません。

新聞の広告やチラシでよく「楽してダイエット、5分間の運動で引き締まった腹」のうたい文句が出てきますが、ほとんど効果がありません。効果がないにもかかわらず、相変わらず「楽してダイエットしたい」人が後を絶ちません。

ろう教育でも同じことで、口話教育の大変さに音を上げて「何とか楽して言葉をおぼえられないものか」と思っている横着な親が最近多くなってきていることは残念なことです。

「母語」という言葉があるように、子どもの言葉は母親が与えるもので、手を抜いたり、他人まかせにしていては、言葉がおくれるばかりでなく、母子のコミュニケーションが成立しなくなります。
最初から手話でスタートすれば、母子のコミュニケーションが成立しやすくなるでしょうが、今度は父親や地域社会とのコミュニケーションが成立しなくなり、自立した社会生活ができなくなります。

オリンピックの話にもどりますが、選手の自己努力だけで金メダルを取るのは昔の時代で、今は専門のコーチがつきっきりで、科学的で厳しいトレーニングをこなして、強い精神力を持たないとメダルが取れません。

ろう・難聴の子どもは「自己努力」を知りませんから、母親がつきっきりで、子どもの興味や生活の場面に合わせて、楽しく遊びながら、タイムリーに辛抱強く言葉がけを続けていかなければなりません。

初めての畑仕事(口話教育)はだれでも苦しいものですが、果物(日本語)がおいしく実ったときの喜びは大きいものになります。


<日本語の目>と<手話の目>  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-29 22:48:31

難聴児は残存聴力があって、早期に補聴器を付けて聴能訓練を受ければ、ある程度の音声語を獲得できますが、それでも重度の難聴と<ろう>になるほど不完全になることはしかたがありません。音声語の不完全な部分は、読話(口話の読み取り)・指文字・文字・絵などの視覚教育を活用して補います。

最近は、手話を併用するろう学校が増えていますが、もし音声語を先に言葉(母語)として獲得しなければ、手話が言葉(母語)になってしまうので、音声語の獲得が遅れ、たとえ単語レベルで獲得できたとしても、子ども集団の手話が日本語の文法(決まり事)とかけ離れているので、一生かかっても日本語の文章を正しく書くことはできません。

日本語の文章を書くときは、まず頭の中で日本語の文章を考えながら、書いていくわけですから、いつも頭の中で手話しながら、日本語の文章に変えて書くことは不可能です。
手話も日本語も自在にできるろう者はいますが、先に口話(音声語)で日本語を母語にした人ばかりで、あとで手話をおぼえて両立させたものです。

音声語は、日本語の文字・文章によく一致しますから、音声語にこだわれば間違いなく日本語を獲得できます。さらに絵本の文章に興味を持って読む習慣がつけば、<日本語の目>になって、いっそう日本語が確実なものになります。

よく、日本語ができない子どもに「本をたくさん読みましょう」とすすめていますが、<手話の目>になった子どもが日本語の文章を読んでも、正しい意味がわからないので、面白くならないで、かえって読書ぎらいになって、効果がありません。

手話に堪能なろう者の先生が、ていねいに細かく日本語の意味を教えれば効果がありそうですが、実際はそうではなく、子どもたちの頭の中で手話と日本語が混同してしまって、期待したほどの効果は上がりません。 手話併用の効果をあげるには、必ず先に音声語を獲得していることが条件になります。


みんなが平等になれるスポーツ  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-28 09:40:37

オリンピックで無名の国・無名の選手が活躍してメダルを獲ると「スポーツは言語や肌の色を肥えて、選手のみんなが平等になれる」という思いを強くします。どんな国のどんな選手でも同じスタートラインに並んで、いっせいに飛び出して、同じコースで競り合って、同じゴールで決着をつける、勝った選手も負けた選手もお互いの健闘を讃え合う姿に爽やかな感動をおぼえます。

アメリカといえば「人種差別」で有名な国で、黒人が生活していくことは大変ですが、スポーツで活躍してプロになって、マスコミに登場して有名になる黒人選手がたくさんいます。

ろう学校で、授業の成績が悪く元気がない子どもは、運動・体育の時間になると途端にうれしそうに生き生きとした表情を見せて、元気よく動き回ります。中学部・高等部と学年が上がるにつれて、だれがどんな種目で一番強いかがはっきりしてきて、地域ろう学校体育大会・全国身障者スポーツ大会に出場するチャンスが与えられて、良い成績を出すと、学校でヒーロー扱いされて、すごくいい気分になれます。

インテの学校に通う難聴の子どもが、授業についていくことが困難で、集団のコミュニケーションに入れず、様々なイジメにあって孤立感に悩んでいる状況を打開するには、スポーツで活躍することがいちばん効果的です。
まず足が速い、体力・腕力・技術力で良い結果を出せば「あいつはこんなに速かったのか、強かったのか、うまかったのか」と周囲をびっくりさせて、たちまち学級・学校のヒーロー・人気者になって、自分の存在感が大きくなって、アイデンティティが高まります。
高校野球で活躍した石井裕也選手(神奈川)がひとつの好例です。

それから、インテを卒業した難聴者が手話をおぼえて、ろう者社会に入っていこうとすると、ろう者から「だれや、あいつは」と<よそ者>扱いされてしまいますが、スポーツ(野球・サッカー・ラグビー・スキー・卓球・バレーボール・陸上など)のチームに入って、大会で活躍すれば「よくやってくれる」と歓迎されて、手話が多少ぎこちなくても仲間入りが許されます。

社会に出て就職した場合でも、仕事ができるほかにスポーツもできれば歓迎されて、ろう者・難聴者の<居場所>が確立して長続きします。職場に長続きすれば、ますます信用が高まり、生活水準も高まって安定します。


スポーツとマスコミの効果  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-27 09:10:50

オリッピックで優勝してヒーローが誕生すると、国民のアイデンティティが高まる効果は大きいものですが、女子ホッケーのようにあまり知られていない競技が国民に知ってもらえる効果もあります。

高校野球でも、甲子園に初出場して勝ち進むと、無名だった高校の名前がテレビ報道によって、全国に知られるようになります。
スポーツで有名になり人気があれば、新入学の生徒がたくさん集まり、力のある選手が集まって、ますます強くなります。

ろう者・難聴者が有名になり、希望とアイデンティティが高まるためには、スキージャンプの高橋竜二選手(北海道)、高校野球の石井裕也選手(神奈川)などのように大きなスポーツ大会で活躍して、マスコミで報道されることがいちばん効果的です。

マスコミ(テレビ・新聞)はどちらかというと、なるべく明るいニュース・話題をたくさん報道したほうが売り上げがアップします。
ですから、障害者に関する報道についても「こういう問題があって苦しい」という暗い話題よりも「障害を乗り越えて、こんなに頑張っているのだ」という明るい話題を積極的に取り上げる傾向があります。

「手話だ、ろう文化だ」と主張していても、マスコミ(聴者社会)からみれば「閉鎖的で不可解な社会」ですから、なかなか取り上げてもらえず、たまに良心的なマスコミが取り上げてくれても、あとで「これは違う」と細かいクレームをつけられるので、及び腰になってしまいます。

人間のつきあいでも、いつも明るく話している人の周りには自然と人が集まり、いつも暗くグチをいっている人には人が寄り付かず、逃げられてしまいます。

ろう者・難聴者がいつも<明るく前向きに>努力することを心掛けていれば、必ずどこからか理解と援助をしてくれる人が現れてきます。


ニュース配信より:高校野球  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-26 07:21:17

【山梨】難聴を克服、みんなで念願の甲子園へ 郷州征宜選手
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 耳が聞こえないハンディキャップ。それでも3年間やり通した高校野球。それが終わった。念願だった甲子園は2打席だけ。「悔しい。けど、みんなでベスト4まで来られた。楽しかった」。そういう郷州選手に涙はなかった。

 甲子園の初登場は3回戦の聖光学院(福島)戦だった。1−6でリードされた4回裏、1死満塁で代打に出た。高々と右翼に打ち上げ、三塁走者を迎え入れた。
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以下、くわしい情報は下のリンクでご覧下さい。
asahi.com


口話と「私は私」  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-25 07:06:02

大橋弘枝さんのテレビ番組を見たあとで、急いで「もう声なんかいらないと思った」という本を取り寄せて、読んでみました。
テレビ番組にあった再現ドラマは、この本が元になっています。

本の内容はなかなかドラマチックで、印象に残る言葉がたくさんありましたが、そのなかで
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母は私に口話を教えたが、それは間違いだったと思うか? そう問われたら、今、私はこう答えよう。
「それはまったく間違いではなかった」
と。むしろ、話せることは私という個性には合っていた。そして今度また誰かに
「君はどっち?」
と聞かれたら、私は笑顔でこう答えようと思う。
「私? 私は私よ!」
と。だって、私は私以外の誰でもないのだから。
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いやー、「私は私」という言葉は見事で、天晴れでした。

人間は大きく分けて「聞こえる世界」にいる人、「聞こえない世界」にいる人に分けられ、「聞こえない世界」にもさらに「ろう者・難聴者・中途失聴者」とそれぞれの社会に分けられて、実際は聴力の程度や原因、教育環境(インテ・ろう学校)の違いなどで多様化・複雑化していて、それは<虹>のように色の境界線がはっきりしないもので「自分はいったい何者で、どっちの社会に入るか」と悩む若い聴覚障害者が最近増えているようです。

インテ出身で手話をおぼえて、ろう者社会に入って「自分はろう者だ」といってみても、ろう者は手話を見る目が肥えているので、手話を見ただけで「ろう者か難聴者か」とすぐに見分けてしまいます。

ろう者はろう者らしく、難聴者は難聴者らしく、どっちなのかわからないなら「私は私」で自分らしく生きることがいちばん自然なことです。

私「孫悟空は何者か」と聞かれたら、私は3歳で難聴になったが、ろう学校に長くいた経験があるから「ろう者&難聴者(ろう/難聴/兼ねる)」と答えることにしています。ろう者に会ったらろう者に、聴者・難聴者に会ったら難聴者になるというわけです。

「私は私」 (てるみ〜) 2004-08-25 07:25:47

>「私は私」で自分らしく生きることがいちばん自然なことです。

素敵な言葉ですね。
本を探して、是非読んでみたいです。

いちばんのおすすめ (孫悟空) 2004-08-25 11:13:58

てるみさん、いらっしゃい。

私が最近読んだ難聴者の本で、いちばんのおすすめです。

私は聾唖者です。 (にっし〜) 2004-08-25 12:46:39

生まれつき耳の聞こえない聾唖者です。

難聴者にもこのブログに参加されていたんですね。とても光栄です。良かったら私のブログも見て頂けたらとても嬉しいですね。

ブログの仲間 (孫悟空) 2004-08-25 13:05:40

にっし〜さん、いらっしゃい。

同じブログの仲間ができて、うれしいです。

相互リンクということで、今後ともよろしく。

お久しぶりです。 (きよきよ) 2004-08-26 20:14:17

孫悟空サンもBlogの仲間入りですね。
これからもヨロシクお願い致します。

大橋さんの本、気になってた1つではあるのですが、まだ手元にないけど、やっぱり買う事にしました。

我が家も本サイト(HP)ともどもBlogもヨロシクお願いします。

Blogの先輩 (孫悟空) 2004-08-26 22:27:25

きよきよさん、お久しぶりのコメントをありがとうございます。

さっそくHPを覗いてみましたが、きよきよさんのほうがBlogの先輩のようですね。

お久しぶりです (Meg) 2004-09-02 07:25:25

久しぶりに訪れたら・・・Blogになさったんですね。

>人間は大きく分けて「聞こえる世界」にいる人、「聞こえない世界」にいる人に分けられ、「聞こえない世界」にもさらに「ろう者・難聴者・中途失聴者」とそれぞれの社会に分けられ

この部分を読んで、ああ、と思い出した本がありました。以前、図書館で借りた本です。

聴覚障害者の子供たちの心の描写が丁寧に描かれています。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、なかなか興味深かったです。
おお!お久しぶりです (孫悟空) 2004-09-02 08:23:37

Megさんは、もう何年も無沙汰していますので、コメントをいただき、ありがたく思います。

ご紹介いただいた「聞こえない親をもつ聞こえる子どもたち」の本は、私も参考になっています。


ヒーローとアイデンティティ  投稿者:孫悟空 投稿日:2004-08-24 09:26:19

オリンピックは「肥大化・商業主義」といわれても、選手や関係者そして国民が夢中になる、テレビ映像を見ていると、やはりオリンピックは特別な「世界的行事」だと思います。

国民はオリンピックに何を求めているか、それはメダルの数でなくて、優勝した「ヒーロー」の誕生にあります。
「田村で金、谷でも金」で有名な柔道の谷選手、同じく3連覇した野村選手、「超気持ちいい」の新語を生んだ水泳の北島選手、マラソンで日本女子2連覇の野口選手などのヒーローは、メディア(新聞の記事・テレビの映像)に記録され、何世紀にもわたって伝えられていきます。

いうなればヒーローは、国民の「心の希望・誇り」であり「アイデンティティ」であって、たとえこの世にいなくなっても、国民の心に残る「ヒーローは不滅」であり、伝説となって語り継がれていきます。

「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」で、ヒーローは歴史にしっかりと名前を残します。「歴史が面白い」という人は、源義経・豊臣秀吉・赤穂浪士など、心をわくわくさせるヒーローがいるからです。
映画で人気がある「スパイダーマン」「ハリー・ポッター」や、昔の「スーパーマン」「ターザン」「007」なども、心をわくわくさせるヒーローがいます。

インテの難聴者で、社会に出てから「心の問題・アイデンティティ」に悩む人が多くいるようですが、これらを元気づけるためには「難聴者のヒーロー(ロールモデル)」が不可欠です。

家庭で自分の部屋にひきこもっている若い難聴者がいたら、難聴者が社会で活躍した本をすすめて、難聴者・ろう者集団に属して、自分の役割と可能性を考えさせることです。

ヒーローとは、みんなの役に立つ、みんなに喜ばれ感謝される、みんなに認められることであり、それが自分のアイデンティティを確立することにつながります。

blog開設おめでとうございます。 (匿名) 2004-08-24 22:23:10

blogをすすめた匿名です。
まずどこに書き込めばいいのか迷いましたが、とりあえずこの投稿をお借りしてコメントをつけました。
blog開設おめでとうございます。あまりの行動の早さにビックリしました。背景が緑だったのが、いきなり白に変わって見た瞬間は目がチカチカするほどでした。
これからblogに慣れるといいですね。
頑張って下さい。

ありがとうございます (孫悟空) 2004-08-24 23:17:48

元々が好奇心が旺盛なタチで、そろそろイメチェンしたいと思っていたので、新しい流れに飛びつくことにしました。

どなたかわかりませんが、blogをご紹介していただいたことに感謝しています。


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